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『「見たこと作文」実践ネタ集』 [書籍]




『見たこと作文でふしぎ発見』(学事出版)の著者、上條晴夫さんが本書の「まえがき」を次のように書いています。

 本書は、「作文革命=見たこと作文」の実践記録集である。
 従来の回想型作文(したこと作文)に対して、自然や社会の「ふしぎ」に挑む追究型作文が、「見たこと作文」である。
 「ふきのとう」のなぞとは? 「流氷」が町にきた日とは? 「一万円札」のひみつとは?
 ひとつの「材」から、クラス全体に大きな追究の渦が巻き起こる。
 ひとつの「材」から、多くの問題・テーマが生まれ、追究が広がりと深まりを持つ。
 見る。
 聞く。
 読む。
 そして、熱中して作文を書き始める。様々な「説得の文章技術」を駆使した作文を書く。
 「見たこと作文」システムの指導ポイントさえ押さえれば、あなたのクラスの子どもたちも、きっと本書に登場する子どもたちのように面白い作文を書き始めるだろう。

この「まえがき」から、本書で取り上げられている実践記録の様子が伝わってくると思います。ここでは、「追究型作文」が生まれる「『見たこと作文』システムの指導ポイント」を取り上げてみましょう。本書の<終章>で上條さんが「『見たこと作文』の指導技術」を書いています。以下、項目を引用します。

(1)「見たこと作文」実践の指導技術
(2)したことではなく、見たことを書きます!
(3)短くてもいいです。欠かさずに書きます!
(4)友だちの作品のよさをマネして書きます!
(5)問題(「ハテナ」)に着目して書きます!
(6)追究には、「聞く」「読む」も書きます!

(1)では『見たこと作文でふしぎ発見』において「自覚的に書けなかった『見たこと作文』実践の指導技術に焦点を当てて」いるという説明がされています。

(2)では「概念くだき——概念的な修飾語や言い回しを具体的な表現に変える」という観察の基本として、「よく見ると」というキーワードを使って書くことを指導しています。

(3)では「主題の統一度——主題に即して文章が展開し、まとまった文章として統一されているか否か」という観点で作品を評価し、一つの作文には一つのことだけを書くことを徹底させます。

(4)では「認定評価——『よさ』を発見して示す」を子どもの書いてきた具体的作品で行い、その「よさ」に対して「数字」「名前言葉(=固有名詞)」「たとえ(=比喩)」「ハテナ(=比喩)」などの言葉で語ってやるのがポイントです。

(5)では「発想の技術——さまざまな事物・事象・文献の中から価値ある問題(=題材)を見つけ出し、これを〈疑問文〉の形で提示すること」(大内善一著『思考を鍛える作文授業づくり—作文授業改革への提言—』明治図書)を指導するために、「材」を「よく見る」(体験する)→「——か」の形で考えるという二段階が必要とされています。

(6)では「順次性の原則——同一のテーマについて、より直接的な経験による学習と、より間接的な経験による学習の二つの学習を行う場合は、より直接的な経験による学習を先立てるほうが、学習は連続的・発展的になる」(藤岡信勝著『社会認識教育論』日本書籍)を「見たこと作文」にも適用して、次のように説明されています。

 『「見たこと」を書きます!』
 『短くてもいいです!』
 『ハテナを使って書きます!』
以上の下準備ができた後で、ようやく、追究の方法として、『「聞く」「読む」も書きます!』である。
 「聞く」に関しては「鉛筆対談」の方法、「読む」に関しては「引用」の方法を教える。
 鉛筆対談の方法、引用の方法を身につけると、子どもたちの追究(情報収集)の力はイッキに爆発する。
 「見る」を中心とした「ふしぎ発見」過程で明確になった問題意識をもった子どもたちは、鋭い「聞く」(鉛筆対談)を行う。
 執拗な「読む」(引用)を行うようになる。

本書の「まえがき」で示されている「見る」「聞く」「読む」の順次性が端的に示されています。上條さんの処女作『見たこと作文でふしぎ発見』では「自覚的に書けなかった」という「見たこと作文」の指導技術を意識しながら、当時の上條さん自身の実践や、本書の実践記録を読み直してみる必要がありそうです。

なお、上條さんの「『見たこと作文』の指導技術」の初出は『授業づくりネットワーク』1993年12月号です。

まえがき
<序章>「見たこと作文」のすすめ……上條晴夫
 見いつけた! ふきのとうひみつ(小3)……竹内史子
 一万円札に穴を見つけた!?―「お金」の追究(小6)……塩谷賢司
 とびきりおいしいパンを作るには?(小2)……野田芳朗
 流氷が町にやってきた!(小6)……乙部啓二
 アメリカザリガニのなぞを追う(小3)……山口明代
 雪・フィールドワークで大発見(小6)……石井淳
 発見・追究! 桜のふしぎ(小4)……佐藤敬子
 タンポポのハテナが飛火する(小2)……高山佳己
 売れるやおやさんのヒミツ―お店たんけん(小2)……阿部光江
 ゆうれい花のなぞに挑む(小3)……石岡房子
<終章>「見たこと作文」の指導技術……上條晴夫
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