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『子どもが熱中する作文指導20のネタ』 [書籍]




『見たこと作文でふしぎ発見』(学事出版)の著者、上條晴夫さんは、本書を「従来の作文技術について、『見たこと作文』の観点から見直しを行ったもの」と位置づけています。(「『見たこと作文』のすすめ」『見たこと作文「実践ネタ集」』学事出版)そこで、「見たこと作文」を意識しながら、本書を見ていきましょう。

本書の「まえがき」において、上條さんは次のように述べています。

 書くことが楽しくなる作文授業のネタ集である。
 子どもたちが思わず書いてみたくなるような意欲を喚起する作文授業を集めた。
 次の三つの作文の授業については、少し詳しく書いた。
  (1)スケッチ作文
  (2)鉛筆対談
  (3)資料活用作文
 子どもたちの「見ること」「聞くこと」「読むこと」という三つの情報収集の型に対応した作文スタイルの基礎から応用までである。
 前著『見たこと作文でふしぎ発見』(学事出版)で提起した「見たこと作文」という追究型作文の中心的な位置を占める作文スタイルである。

そこで、この三つの作文の授業を順に見ていきましょう。

一つ目は「スケッチ作文」です。「番号作文」「列挙作文」「発見作文」という三つの作文が出てきます。「番号を付けて書き並べるという単純な方法」から子どもの思考がうかがえる番号作文。「番号作文の前後に、予告と考察の文を置くこと」により書く内容の選択を促す列挙作文。「列挙して項目を立てた部分を、文にしてやや詳しく説明」することで考察を深める発見作文。子どもたちが実際に書いた作文を通して、上條さんは「『番号作文』『列挙作文』『発見作文』の技術的系統」を提示しています。

二つ目は「鉛筆対談」です。「会話作文」「相談作文」「質問作文」という三つの作文が出てきます。「おしゃべり遊び」を単純に楽しむ会話作文。「鉛筆対談の終わりを、約束の形」にして作品にまとまりをもたせる相談作文。「質問の手法」として鉛筆対談を取り入れて調べる質問作文。鉛筆対談の「スタイルの変化が内容の変化をもたらす」様子が描かれています。

三つ目は「資料活用作文」です。「言葉調べ作文」「視写作文」「キーワード作文」という三つの作文が出てきます。「気づいたこと・考えたこと」を書くように促す言葉調べ作文。「観察したこと、インタビューしたこと、資料」を引用する視写作文。「一つのキーワードについて、二つ以上のモノ」にあたって調べるキーワード作文。やはり、子どもたちが資料を発展的に活用していく様子が伝わってきます。

いずれも、三つのバリエーションが系統的に示されています。

ところで、この三つの作文に対して、上條さんは『見たこと作文でふしぎ発見』において、次のようにも述べていました。

 情報収集の手段として、次の三つは教えたい。
 (1)スケッチ作文(見る)
 (2)鉛筆対談(聞く)
 (3)資料活用作文(読む)

それぞれ、「見る」「聞く」「読む」に対応していたことが分かります。これらについて、大内善一さんは『「見たこと作文」の徹底研究』(学事出版)において、「見る」「聞く」「読む」「考える」という項目を立てています。その最初の部分を引用しましょう。

 「見たこと作文」では、すでに見てきたように作文を書く前に、「ハテナ」づくりという「発想」の技術が行使される。この「ハテナ」づくりは、「あいまいな」問題意識を明確な「問題」「テーマ」として取り出す技術であった。
 さて、「問題」「テーマ」が明確に取り出された後は、その解明のための活動が始まる。「見る」「聞く」「読む」「考える」という活動である。いわば、情報収集の活動(=取材活動)である。「見たこと作文」では、これらの情報収集活動自体とその成果とが全て作文の材料となる。

大内さんは「見る」「聞く」「読む」とともに、「考える」も位置づけています。先の上條さんの「スケッチ作文」「鉛筆対談」「資料活用作文」を見ても、単に「見る」「聞く」「読む」だけでなく、少しずつ「考える」活動が取り入れられるように系統化されていることがうかがえます。

この「見る」「聞く」「読む」および「考える」活動そのものが記述されるため、「見たこと作文」では子どもが「書くことがない」という心配がない点を大内さんは指摘しています。さらに、これらの情報収集活動の中から新たな「ハテナ」(=問題)が生み出されている点も重視しています。

「見る」「聞く」「読む」活動を手がかりにして、いかに「考える」ことにつなげるか。このあたりが「見たこと作文」も含めた作文授業づくりのポイントになるのかもしれません。

なお、本書は『書けない子をなくす作文指導のコツとネタ』(学事出版)として再刊されています。

まえがき
Ⅰ スケッチ作文の授業
 1 番号作文の授業
 2 列挙作文の授業
 3 発見作文の授業
Ⅱ 鉛筆対談の授業
 1 会話作文の授業
 2 相談作文の授挙
 3 質問作文の授業
Ⅲ 資料活用作文の授業
 1 言葉調べ作文の授業
 2 視写作文の授業
 3 キーワード作文の授業
Ⅳ 作文指導20のネタ
 1 私は誰でしょう
 2 ようすを見つける
 3 してみて書かせる
 4 カップメンの作り方
 5 一枚の絵を見て
 6 天狗の遠眼鏡
 7 ねておきたら
 8 六十秒コマーシャル型作文
 9 お父さんの手
 10 大入り作文の授業
 11 もしも作文
 12 どっちを選ぶ?
 13 週間日記
 14 音だけ作文
 15 翻訳作文
 16 テレビ感想文
 17 ウソ作文-遠足
 18 名前の由来調べ
 19 比べ読みして作文する
 20 絵本の読書感想文
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