So-net無料ブログ作成
検索選択

線対称の模様を作ろう [雑誌]

私が編集に関わっている学事出版雑誌『授業づくりネットワーク』「あすの授業」コーナーの原稿を、私なりの視点で検討していきます。
※参考:佐内信之「新しい授業レポートの誕生 『あすの授業』を中心に」『授業づくりネットワーク』2007年3月号

『授業づくりネットワーク』2011年2月号
算数(小6)/平嶋大 線対称の模様を作ろう

「授業のへそ」を引用します。

 「線対称」の性質がもつおもしろさや不思議さ、美しさを味わうために、模様作りの算数的活動を行う。
 導入の切り絵クイズが、「線対称」についての理解を助け、模様作りへのヤル気を引き出す。

一読して分かるように、この授業のヒットポイントは「導入の切り絵クイズ」のようです。そこで、導入部分を見ていきましょう。

 何ができるかわかるかな?

色画用紙を半分に折って、ゆっくりとはさみで切り始める。
「わかった!うさぎでしょ!」
『ピンポーン!正解です!』
 切り取った後、パッと開いてうさぎの顔になることを見せる。
「すごーい!」「本当だぁ!」
 感心する声が上がる。続けて2問目はハート。これもすぐに正解にたどり着いた。最後は写真のように、抽象的な形に切る。
果物?」「虫かなぁ?」
 十分に惹きつけてそっと開く。
「うわぁ、何か不思議な形!」
「ちょっと怖い感じがする」
『実は、正解はないんだけど、色々な形に見えて面白いね』
 ここで、3つの形を指しながら、「線対称」について説明する。

2つに折った時、折り目の両側がぴったりと重なる形を線対称な形といいます。

3問目については、半分に折った切り絵と開いた切り絵の写真も示されていますが、それらの写真がなくても、授業の様子が活き活きと伝わってきます。それは、平嶋さんの描写の手法がすぐれているからだと思われます。そのよさを2点、具体的に指摘してみましょう。

1点目は会話表現です。子どもの会話「  」と教師の会話『  』がテンポよく示されています。特に「!」の記号が多用されていて、子どもたちが惹きつけられていく様子が、よく分かります。また、一転して「?」が出てくることで、子どもたちに思考が促されている様子がうかがえます。この後の「模様作り」の活動の中で、「抽象的な美しさや不思議さを持つ作品」を取り上げる布石になっていると思われます。

2点目はオノマトペです。画用紙を「ゆっくりと」はさみで切りながら子どもたちを惹きつけ、正解発表では「パッと」開いています。これは「うさぎの顔」のように「具体物が持つ線対称のおもしろさを生かした作品」を、子どもたちに印象づける効果があると思われます。反対に、3問目の「抽象的な形」では、子どもたちを惹きつけた上で「そっと」開いています。

「!」と「?」、「パッと」と「そっと」、この対照的なオノマトペの表現に、本実践における平嶋さんの「しかけ」が現れているように思えます。つまり、本実践の中心となる「線対称の模様を作ろう」という算数的活動において、「具体物が持つ線対称のおもしろさを生かした作品」とともに「抽象的な美しさや不思議さを持つ作品」も取り上げたいという、平嶋さんの考えがうかがえます。

以上を踏まえながら、改めて「授業のへそ」を読み返してみましょう。そうすると「『線対称』の性質がもつおもしろさや不思議さ、美しさ」という表現からは、平嶋さんの明確な意図が伝わってきます。会話やオノマトペなどは些細なことのように思えますが、その些細な表現が積み重なって、実践全体を支えているのです。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学校

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

メッセージを送る

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。