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『実践・子どもウォッチング』 [書籍]




上條晴夫さんの「教師のための文章講座」徹底マニュアルシリーズは、この本の「子どもウォッチング」がベースになっていると言えそうです。

『楽しい学級通信の書き方』(学事出版)に「子どもの作文にコメントする」という章があります。その中に「Somedayを踊る」という学級通信が紹介されています。この原実践が本書の「『SOMEDAY』を踊る 子どもの身体の表現に共鳴する」です。その他にも、重なっている実践が目に付きます。

『困ったときの研究レポートの書き方』(学事出版)に「地区研究会のレポートを書く◎子ども理解」という章があります。その中の「教室マンウォッチング」というレポートに、次の見方が出てきます。

(1)グループ学習の時は、頭を見る。
(2)出欠調べの時は、足を見る。
(3)休み時間は、(教師との)距離を見る。
(4)指示する時は、へそを見る。
(5)歌うときは、目線を見る。
(6)集会の時は、頭のゆれを見る。
(7)一斉授業の時は、背中を見る。
(8)練習学習の時は、手を見る。

このレポートが「子どもウォッチング」につながってい
ることを上條さんも明言しています。本書の「飽きのサインを見抜く ウォッチングの四つの指標」に示されているものも参考になります。

(1)気が散る    →「目」が散る
(2)姿勢が崩れる  →「背中」が曲がる
(3)落ち着きを失う →「手」が動く
(4)動き出す    →「足」が動く

『子どもを励ます評価文の書き方』(学事出版)に「児童の実態をメモする—研究レポート—」という章があります。これも「子どもウォッチング」がテーマです。たとえば、先ほどの「(1)グループ学習の時は、頭を見る。」についてです。「頭のくっつき具合を見る」ことによって「班ごとの取り掛かりの状況がほぼ見て取れる」というのです。本書でも「椅子を寄せる音 グループ学習における集中度をみる」に「辞書速引き競争」や「リレー読み」の事例が描かれています。

本書の副題にある通り、子どもたちの「言葉にならないメッセージを受けとるために」教師が意識すべきヒントが、たくさん詰まっています。本書の内容を、さらに深めるためには、第5章「子どもウォッチング読書案内」に紹介された次の本を読んでみるのもいいでしょう。

  ジュリアス・ファスト著『ボディーランゲージ』(三笠書房)
  デズモンド・モリス著『マンウォッチング』(小学館ライブラリー)
  多田道太郎著『しぐさの日本文化』(角川文庫)
  野村雅一著『しぐさの世界 身体表現の民族学』(NHKブックス)
  エドワード・T・ホール著『沈黙のことば』(南雲堂)

(1)子どもの「いま」を見守る—個々の子のメッセージに着目する—
 1 後押しの思想
   背中にその子の「いま」を見る
 2 K子が跳べた!
   子どもの呼吸に合わせる
 3 沈黙の授業
   言葉を消すことで対話がはじまる
 4 どうして風邪引いちゃったの?
   病気をサインとして生活を見直す
 5 流れをかえたMくんの発言
   立ち方・座り方に現れるその子の思い
 6 E子の決意
   まつげが訴える
 7 「SOMEDAY」を踊る
   子どもの身体の表現に共鳴する
 8 M子に手が届く
   距離を意識する
 9 距離が伝えるメッセージ
   子どもとの距離を選ぶ
 10 リーダーの一日を追いかける
    位置関係を意識する
 11 春を見つける
    位置関係に個性を発見する
(2)飽きと集中のサインを読みとく—集団の発する信号に着目する—
 1 飽きのサインを見抜く
   ウォッチングの四つの指標
 2 椅子を寄せる音
   グループ学習における集中度をみる
 3 投げ出された足
   授業への不満のサイン
 4 集中できる時間をみる
   グループの集中を現すサイン
 5 グループ並び競争をする
   集団の自律とウォッチングの視点
 6 ツーンと抜けるような静けさ
   「音を消します」という指示
(3)ウォッチング・ポイントを探る—指導の壁を突破する—
 1 作文の実況中継
   きっかけを作る子どもをとらえる
 2 相撲の授業
   腰のしなやかさに子どもの意欲をよみとる
 3 体を斜めに跳び箱の前に立つ
   五人の動きを同時に見る
 4 ボールキャッチの基本
   かかとが床から離れているかを見る
 5 ドリブル・シュートのこと
   ウォッチングポイント「浮き足」
(4)子どもウォッチングへの道—子どもを見守るアプローチの方法—
 1 「熱中先生」の手の位置と形
   なってみる
 2 「目を側(そば)める」「目が散る」
   慣用句をヒントにする
 3 天体の運行のように美しい子どもたち
   実践家の言葉を追いかける
 4 漢字学習法をウォッチング
   時間を限定してみる
 5 音楽に耳をすます目
   小さな変化に気がつく
(5)子どもウォッチング読書案内
 1 言語的コミュニケーションの最適の入門書
   ◇ジュリアス・ファスト著『ボディーランゲージ』(三笠書房)
 2 さまざまな動作の裏にある意味を読みとる
   ◇デズモンド・モリス著『マンウォッチング』(小学館ライブラリー)
 3 「泣くこと」も文化だった
   ◇多田道太郎著『しぐさの日本文化』(角川文庫)
 4 身振り言語のもつ豊かさに迫る
   ◇野村雅一著『しぐさの世界 身体表現の民族学』(NHKブックス)
 5 子どもとの距離のとり方のもつ意味
   ◇エドワード・T・ホール著『沈黙のことば』(南雲堂)

『子どもをはげます赤ぺん《評語》の書き方』 [書籍]




「日本作文の会」の中心的な実践家である亀村五郎さんの本です。この本は、上條晴夫さんの「教師のための文章講座」徹底マニュアルシリーズ『子どもを励ます評価文の書き方』(学事出版)にも出てきます。子どもの作文を「一つだけホメる」ときの評価観点として、亀村さんの次の項目が紹介されています。

(A)書きぶり
 (1)材料選び(「ねうちのあるもの」)
 (2)主題の統一性
 (3)構成(「順序よく」)
 (4)分かりやすさ(描写/会話)
 (5)意見のあること
(B)生活のしぶり
 (1)他者への働きかけ
 (2)学び・遊び
 (3)自然の変化・美しさ
 (4)仕事・手伝い
 (5)メディアからの情報
 (6)継続的観察・継続的行動

ただし、これらの項目は上條さんの要約のようです。そこで、亀村さんの原典に当たってみましょう。たとえば、「分かりやすさ(描写/会話)」については、次のように説明されています。

 エ、わかりやすく書いてあることについて。
 まず、よく見たり、聞いたり、したり、したことを、色や形、会話、音、動作、などを、ていねいに思い出して、できるだけ、そのことをこまかく、書こうとしているとき。
 自分の持っていることばの中から、その場面や、心の中を表すのに、いちばん適切だと思われることをえらんで、的確に使っているとき。(やたらにきれいなことばや、程度の高いことばを使わない。)
 会話をよく思い出して書いているとき、しかも、自分が書こうと思ったことを表すのに必要な会話であって、できるだけ、言ったとおりに思い出して書いてあると思われたとき。
 自分以外の人が読むことを知って、他人がわからないだろうと思うことについて、説明が加えられているとき。

つまり、亀村さんの考える「わかりやすく」書くとは、「会話」をはじめとする「描写」の表現や、相手を意識した「説明」の表現であることがうかがえます。

そして、亀村さんは指導の重点をどこに置くかによって、さまざまな「赤ぺん」のパターンを具体例で示しています。それでは、実際の「赤ぺん」を見てみましょう。例文は、「うそをつくと、えんまさまにしたをぬかれるぞ」というテレビを見た小学2年生の男の子が、家族とのやり取りを書いた日記です。次の三つの「赤ぺん」が示されています。

(A)おもしろい、おもしろい。おとうさんがおもしろい。おにいちゃんも、おもしろい。けんじもおもしろい。おかあさんはやさしい。けんじのうちは、みんないい人ばっかりだ。たのしい家だねえ。おもしろくてやさしい家だ。ボクもけんじになってこんな家にすんでみたいよ。

(B)おもしろい日記です。おとうさんと二人で話しあったことがよくわかります。その中でも、けんじが、「じゃ、おにのおやじか。」といったら、おとうさんが「まあ、そういうことだな。」といったところが、よかったと思います。それは、とてもけんじらしいし、おとうさんらしいからです。おかあさんのいったことも、おにいちゃんのいったことも、そのまま書いたら、二人が、とてもやさしいということがわかりました。

(C)おもしろい日記だねえ。けんじのやったことが、とてもよくわかったよ。そのなかでもいいところは、けんじが、うそをついたことはないかと考えて、どきっとしたわけが、よくわかるように書いてあるところだ。なぜかというと、と、ちゃんと、朝のことをせつめいしたね。それで、ボクにも、けんじのしんぱいがよくわかったのだよ。よし、よし、よし。

つまり、(A)は生活のしぶり、(B)は書きぶりの中でも「会話」、(C)は「説明」を評価しているというわけです。さて、みなさんだったら、どのパターンの「赤ぺん」を採用するでしょうか?

「赤ぺん」という指導語・評語に、教師の指導観・文章観が現れると言えそうです。

はじめに
第一章 なぜ赤ぺんをにぎるのか
第二章 赤ぺんで、何をほめたり、はげましたりするのか
第三章 日記や自由作文などに書く赤ぺん
第四章 絵日記の赤ぺん
第五章 計画的指導の赤ぺん
第六章 だれにも書ける赤ぺん十一か条
 1 ねらいをもって、まとをしぼる
 2 子どもの顔を目の前に
 3 子どものなまえを入れて
 4 はずかしがらず、気どらず
 5 いつものことば、話しかけの書き方で
 6 よいところをみつけてほめる
 7 楽しく、わかりやすく
 8 “くわしく書け”は、くわしくない
 9 赤ぺんは、欄外にも書く
 10 子どものまねと赤ぺん
 11 書かない子どもへの赤ぺん
第七章 赤ぺんで何が伸びるのか
 (一)表現意欲が盛んになる
 (二)題材のとらえ方を伸ばす
 (三)表現のしかたが伸びる
   1『文章がわかった』と書いてやると
   2『よく思い出している』と書いてやると
   3『表しかたのことばえらび』について書いてやると
   4『表現をひきだすことば』をほめてやると
 (四)ひとまとまりの作品へ発展させる
第八章 子どもと教師の心の動きと赤ぺん
第九章 赤ぺんはいつ書くか
第十章 赤ぺんと父母
あとがき

『保育に生かす記録の書き方』 [書籍]


保育に生かす記録の書き方

保育に生かす記録の書き方

  • 作者: 今井 和子
  • 出版社/メーカー: ひとなる書房
  • 発売日: 1999/05
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


上條晴夫さんの「教師のための文章講座」徹底マニュアルシリーズに、しばしば登場する本です。『困ったときの研究レポートの書き方』(学事出版)では「研究レポートの型を知る」、『子どもを励ます評価文の書き方』(学事出版)では「線として見る」において引用されています。教師の「書き方」問題について考えるときに役立つ文献のようです。

なぜ実践記録を書くのか? 著者の今井和子さんは、その理由の一つとして、次のように述べています。

 書くことによって、自分の感情を吐露し、ときには自分の保育の骨組みを組み立てていくわけですが、その行為によって、もう一人の自分、すなわち書かれている自分をつきはなしてながめる第三者的な自分がいることに気づかされるのです。
 つまり、自分と子どものやりとりを見つめる、もう一人の保育者(自分)の目ができていくということです。
 このもう一人の自分、第三者の視点が生まれることによって、過去の経験を別の角度から見る、すなわち吟味することが可能になるのかもしれません。時間や距離をおいて振り返ることは、自分を客観的に見つめ直すことだと言われますが、保育者が自分の見方を絶対視するのでなく、常に子どもと自分のかかわりのありようを相対化して見つめる視点を持つことによって、子どもとのより創造的なかかわりを生み出していくことができるようになるのだと思います。

この「第三者の視点」を持てるかどうかは、保育者や教師に欠かせない点だと思われます。子どもや保護者の立場を想像しながら指導できるかどうかで、指導の姿勢は変わってくるはずだからです。

そして、この「第三者の視点」の幅を広げるためには、実践記録を読み合う活動が効果的だと思われます。今井さんも、次のように述べています。

 これからの人的環境としては何より保育者のチームワークがいいことが求められます。本音でぶつかり合いながら、お互いから学びあいかつお互いに助けあえる保育者集団をつくっていくことが大事だと思います。まさに子どもの成長を一つの旗印として、そこから私たちが本音を出し合える関係があれば、それはとてもいい職場だと思います。そのためにも、私たちの書く日誌や実践記録というのはひじょうに大事な意味をもってきます。自分の保育、一人だけの保育で終わらないでそれが自分たちの保育になっていく、自分の発見が他の人たちの共通の財産になっていくためにも記録を書くということは非常に意味があることだと思います。

第1章「なぜ書くのか?—記録の重要性とその意義—」を読むと、書くことが教師の力量形成に役立つことを、改めて認識させられます。

この本は改訂版ですが、その5年前に出版されたものと章立てに違いはありません。ただ、日誌や連絡帳の実例が非常に充実しています。多くの保育者の方々による細かい記録を読んでいると、もっと教師もがんばって記録を残さなければいけないと反省させられます。

教師にとっては専門外の保育書かもしれませんが、実践記録の書き方について考えていく上で、非常に参考になる本です。

はじめに
第1章 なぜ書くのか?—記録の重要性とその意義—
 1 たいせつな出来事を忘れないために
  メモをとる
  書く必然性があるか
  保育中はさり気なくメモをとる
 2 自分の言動を振り返り吟味するために
  自分のなかに生まれるもう一人の自分—第三の視点—
  書くことはよく見ることのトレーニング
  子どもの行為の意味を掘り下げる
 3 保育のマンネリ化を防ぎ保育者の自己課題を明確にする
  書いているとき生じる疑問をたいせつに
  課題をもって保育する楽しさ
  “線”として子どもを見る
 4 自分の保育から自分たちの保育へ
  人に読んでもらうことの大事さ
  共通理解を進めるために全員で記録をとる
  やさしさと厳しさ
第2章 記録の種類と書き方のポイント
 1 記録の種類
  観察記録と実戦記録(保育記録)
 2 保育記録(日誌、児童票の経過記録、連絡帳、実践記録など)の書き方
  視点を定めて書く
  活動の羅列にならないように
  抽象的・概念的なことばは避け、具体的に書く
  「具体的に書く」とはどういうことか
第3章 日誌の書き方、生かし方
 1 日誌の書き方—そのポイント—
  様式について
  3歳未満児の日誌—個人記録も必要—
  活動欄の記述について
 2 日誌の実際
  子どもの実態を把握し、明日の活動(保育の手だて)が見通せるようになるために
  よりよい保育を生み出す「評価の視点」
  子どもの行為からその意味を考える
  子どもの内面を読みとることから、新しいかかわりが生まれる
  考察の書き方のポイント
 3 0・1・2歳児の日誌例
  エピソードだけの記述にとどまらないで
  0歳児クラスの日誌から
  0・1・2歳児の日誌の様式
  0・1・2歳児の日誌の実際
 4 3・4・5歳児の日誌例
  集団的視点と個別的視点、その両方から書く
  反省・評価だけの記述では不十分
  自由に書ける様式にも良さがある
  タイトルの工夫も大事
  保育者の意図する課題的活動は“やってみたい”と思う気持ちや動機をたいせつに
  親にその日の活動を伝える「クラス日誌」
 5 週日案記録
  週日案記録のメリットとデメリット
  指導計画と子どもの姿と保育者の意図がつながる記録を
  保育者主導にならないために
第4章 児童票の書き方、生かし方
 1 児童票をなぜ書くのか
  児童票の経過記録に何を書くか?
  経過記録を記入するときのポイント
 2 児童票の書き方
  児童票を書くのは何のため?
  考察をよりたしかなものにするための3つのポイント
  児童票の様式と内容について考える
 3 なぜ生かせない記録になったのか
  児童票(経過記録)を読み直して
  保育者のかかわりを必ず記録する
第5章 連絡帳の書き方、生かし方
 1 連絡帳の書き方
  親が子育ての楽しさを実感できる連絡帳に
  質問や疑問には必ず答えましょう
  親を不安にしない
  プラス思考で書く
  推測しないとわからない書き方はしない
  友だちと比べる書き方はしない
  エピソードをいれるとわかりやすい
  共感は砂漠にオアシス
  発達をおさえて書きましょう
  肯定的な書き方をしましょう
  具体的に育児の手だてを書く
  母親への心使いをさり気なく
  笑いはなるべく伝えましょう
  ちょっとコメントを
  少しの変化もみのがさずに
  行動の意味づけをしましょう
  幼児期にも連絡帳は必要か?
  書きたがらない親に対しては
 2 連絡帳を保育に生かす手だて
  懇談会やクラス便りのテーマに活用する
  ビデオによる記録
第6章 実践記録の書き方、生かし方
 1 実践記録とは
  自分の保育に課題をもつ
  実践記録の書き方
 2 自分の姿を見つめ直す
おわりに

『教師のための知的トレーニングブック』 [書籍]


シリーズ教育技術セミナー 3

シリーズ教育技術セミナー 3

  • 作者: 佐々木 勝男
  • 出版社/メーカー: 民衆社
  • 発売日: 1988/06
  • メディア: 単行本


「歴史教育者協議会」の中心的な実践家である佐々木勝男さんの本です。「教師のためのメモ術、読書術、情報術、さらには、仕事のパワーアップのための計画術、実行術」などがテーマになっています。

教師のための「生産技術」の一つに「書く」ことが設定されています。「教師の文章術のすすめ」「レポートは自分を鍛える」などの項目から、佐々木さんの主張がうかがえます。ここでは「書くことで本も読む」の項目を見てみましょう。

 ある時、『歴史地理教育』(一九八二・十二)という雑誌に「なぜ実践記録を書くのか」という論文を書くことになった。
 そのために、実践記録に関する論文には、どんなものがあるか、自分の本棚から拾ってみた。
『授業記録のとり方』(明治図書、一九六八・九)
『教育実践記録論』(あゆみ出版、一九八〇・七)
・「教師の実践分析力をどう高めるか」(『現代教育科学』一九八〇・二)
・「“実践記録”をどう分析し解釈するか」(同、一九八二・三)
・「戦後の“実践記録”を読み直す」(同、一九八二・十一)
・「教え方改善に役立つ授業研究の方法」(『社会科教育』一九八一・十)
・「授業に役立つ実践記録の読み方」(同、一九八二・八)
・「学級経営実践記録のとり方・生かし方」(『学級経営』一九八二・一)
・「教師の仕事と実践記録」(『作文と教育』一九八一・一)
・「青年教師と教育実践」(『教育実践』一九七九・冬)

このような調子で、さらに次の文献が列挙されています。

『集団づくりの記録の読み方・書き方』(明治図書、一九八二・八)
・「実践記録の書き方・読み方」(『歴史地理教育』一九八二・一二)
・「追試ができる授業案の書き方」(『授業研究』一九八六・三)
・「授業記録を書くことの意味と書き方」(『子どもと教育』一九八三・三)
・「研究レポートをどう書けばよいか」(『授業研究』一九八六・一〇)
『実践研究論文の書き方』(明治図書、一九八七・三)
・「いま授業研究の質をどう変えるか」(『授業研究』一九八七・四)

「実践記録」というテーマで、まさに佐々木さん自身が「書くことで本も読む」姿勢を示しているのです。

この本は、上條晴夫さんの『困ったときの研究レポートの書き方』(学事出版)において引用されています。「研究レポートの型を知る」の項では佐々木さんの「プロット」が、「枠囲みを柱にする」の項では佐々木さんの「囲み」が参考にされています。今から20年以上も前の本ですが、「今こそ、教師のための知的行動を」と訴える佐々木さんの主張には、今後も耳を傾けていくべきでしょう。

まえがき
Ⅰ メモをする
 1 自前の“知的行動システム”を——なぜメモなのか
 2 情報をキャッチするメモ
 3 思考をたすけるメモ
 4 行動力をアップするメモ
 5 自分流のメモ術を
Ⅱ 読む
 1 本屋を自分の書庫にしてしまう
 2 本は食べるように読む
 3 本は自分専用に改造せよ
 4 ハウツー書を自立へのステップに
 5 教育雑誌の活用法——コピーとカードで
 6 「読者のページ」で雑誌がわかる——おもしろい教育雑誌の見分け方
 7 発想は異質の組みあわせから——他分野の本に学ぶ
 8 その日の朝刊から三つはネタをみつける——新聞をどう読むか
Ⅲ みる・さがす
 1 駅の売店と車内のウォッチング
 2 土地を知り子どもを知る——学区域ウォッチング
 3 情報散歩で頭のリフレッシュ——シティウォッチング
 4 旅行はネタ集めのチャンス
 5 パンフレットもまたいいネタだ
Ⅳ 出会う
 1 ペア・システムで力をつける——まずふたりのネットワーク
 2 職場に授業研究のシステムを
 3 他人の授業をみる——六つのチェックポイント
 4 父母会を知的生産のバネに
 5 研究会があなたを変える——五つの効用
 6 他人の書斎をのぞけ
 7 異業種の人と対話する
Ⅴ 書く
 1 教師の文章術のすすめ
 2 レポートは自分を鍛える
 3 レポートはひと晩で書ける
 4 テーマにそったネタ集め法——つねに数個のテーマをもつ
 5 書くことで本も読む
Ⅵ 自己管理する
 1 教師の仕事度アップのために——チェックリストの工夫
 2 仕事のできる教師はファイルに秘密がある
 3 行動力をつける
 4 つねに実践目標をもつこと
 5 教師人生の設計図をえがく——二〇代、三〇代をどう生きるか

『子どもと保護者をとりこにするプロの学級通信』 [書籍]


子どもと保護者をとりこにするプロの学級通信

子どもと保護者をとりこにするプロの学級通信

  • 作者: 河田 孝文
  • 出版社/メーカー: 明治図書出版
  • 発売日: 2009/01
  • メディア: 単行本


この本は河田孝文さんが代表を務めるサークル「TOSS/Advance」のメンバーによって執筆されています。その一人である桑原佑樹さんは「あとがき」において、「本書は、河田氏の学級通信から優れたエキスを抽出して、学級通信を書くためのステップを細分化し、1冊の本を作りたいという願いのもと誕生した。」と書いています。

たくさんの「エキス」が紹介されていますが、その一つに「描写」が挙げられています。「学級の様子が目に浮かぶ描写力」の項目を担当しているのは内藤恵子です。内藤さんは「子どもの心のネジを締めたい」など、子どもたちのノートや作品などでは「描写しにくい場面のポイント」として、「流れを会話で表現する」ことを指摘しています。たとえば、河田さんの学級通信から次の場面を引用しています。

最後に私が言いました。(中略)みんなに特に実行して欲しいことが三つあります。
■とりかかりをはやくする。
■だまってする。
■終わりのチャイムまでする。
できそうですか?
みんなから「はい」と返ってきました。

この場面について、内藤さんは次のように述べています。

 「掃除」という生活指導の会話に「何を押さえたのか」、ポイントも入っている
 また、「3分後」「5分後」「三つ」と明記できるものは、ハッキリと表記されている。
 保護者も学級の様子を目に浮かべやすいだろう。

確かに、その通りですが、ここでの「会話」は「指示」と言った方が良いでしょう。教師の「指示」よりも、子どもたちの「会話」が効果的に描写されていると考えた方が良さそうです。

「とりかかりが遅かったです」
「先生がいるときといないときの掃除の態度がちがっていました」
「ついおしゃべりをしながらやっていました」
「『あと5分で掃除終了です』で終わった気になっていました」
「後片付けがいいかげんでした」

このような子どもたちの「会話」を通して、反省の気持ちが伝わるのでしょう。

河田さんは「まえがき」で次のように述べています。

 学級通信は教師にとって最高の文章修業の場の一つである。
 学級通信は保護者を想定して書く。保護者を読者とした作文は文章修業になる。
 保護者は、次の特徴をもっているからだ。
1 保護者は、教育への関心がある。
2 しかし、素人である。
 わが子の教育には、他の人よりは関心がある(どんな親にしても)。しかし、業界用語はほとんど知らない。例えば、「板書」は業界用語である。保護者は知らない。
 こんな些細なことさえ、学級通信では翻訳しなければならない。「黒板に書きました」と。
 相手が保護者になると、現在の自分の主張をどのように伝えるか苦心する。難解な言葉はかみくだく。できるだけ具体的な描写を心がけて。

同感です。学級通信や授業記録で「描写」を心がけることは、文章修業・教師修業につながると私も考えます。

まえがき/河田孝文
Ⅰ 子どもと保護者をとりこにする出会いの序章
 1 子どもとの出会いのドキュメント/林健広
  実物資料 2年 学級通信 『七色の落書き!』2号
  実物資料 2年 学級通信 『七色の落書き!』3号
  実物資料 2年 学級通信 『七色の落書き!』4号
  実物資料 6年 学級通信 『マキシマム』2号
  実物資料 4年 学級通信 『Over Drive!』3号
  実物資料 6年 学級通信 『PASSION』2号
  実物資料 6年 学級通信 『Hi-STANDARD』2号
Ⅱ 学級通信の作成のプロの裏技
 1 タイトルをネーミング,ロゴに凝る/桑原佑樹
 2 ヘッダーを使いこなす/桑原佑樹
 3 フォントにこだわる/大貝優希
 4 細部にこだわる 余白,文字の大きさ/林健広
 5 年間,100号を突破するノウハウ/中山崇
Ⅲ 保護者を魅了する作品や感想の魅せ方
 1 写真のいろいろな載せ方/吉谷亮
  実物資料 6年 学級通信 『マキシマム』65号
  実物資料 6年 学級通信 『マキシマム』9号
  実物資料 6年 学級通信 『マキシマム』14号
  実物資料 6年 学級通信 『マキシマム』20号
 2 子どものめあてのカスタマイズ/平松英史
  実物資料 6年 学級通信 『マキシマム』111号
  実物資料 6年 学級通信 『マキシマム』112号
 3 子どものノートの見せ方/中山崇
  実物資料 6年 学級通信 『マキシマム』15号
  実物資料 2年 学級通信 『七色の落書き!』19号
  実物資料 6年 学級通信 『マキシマム』146号
  実物資料 6年 学級通信 『マキシマム』147号
  実物資料 4年 学級通信 『Over Drive!』77号
 4 子どもの感想をびっしり載せる/山田恵子
  実物資料 2年 学級通信 『七色の落書き!』69号
  実物資料 6年 学級通信 『マキシマム』30号
  実物資料 6年 学級通信 『マキシマム』79号
 5 学校掲示では終わらない! 子どもの絵作文で保護者を魅了!/大貝浩蔵
  実物資料 6年 学級通信 『マキシマム』172号
  実物資料 6年 学級通信 『マキシマム』40号
  実物資料 6年 学級通信 『マキシマム』130号
  実物資料 2年 学級通信 『七色の落書き!』107号
 6 読書感想画鑑賞で作文力を養う/江口儀彦
  実物資料 6年 学級通信 『マキシマム』205号
  実物資料 6年 学級通信 『マキシマム』204号
Ⅳ 子どもと保護者をとりこにする行事のドラマ
 1 臨場感たっぷり! 行事のドラマ/岸義文
  実物資料 修学旅行編
   6年 学級通信 『マキシマム』33号
   6年 学級通信 『マキシマム』38号
  実物資料 運動会編
   4年 学級通信 『Over Drive!』16号
   4年 学級通信 『Over Drive!』27号
   6年 学級通信 『マキシマム』123号
  実物資料 長縄大会編
   4年 学級通信 『Over Drive!』110号
   6年 学級通信 『マキシマム』185号
  実物資料 学習発表会編
   4年 学級通信 『Over Drive!』80号
   6年 学級通信 『マキシマム』167号
  実物資料 遠足編
   6年 学級通信 『マキシマム』155号
  実物資料 社会見学編
   2年 学級通信 『七色の落書き!』28号
Ⅴ 保護者の信頼を勝ち取る方法
 1 学級の様子が目に浮かぶ描写力/内藤恵子
  実物資料 6年 学級通信 『マキシマム』34号
  実物資料 6年 学級通信 『マキシマム』36号
  実物資料 6年 学級通信 『マキシマム』117号
 2 家庭訪問での情報を載せる/山田恵子
  実物資料 6年 学級通信 『マキシマム』13号
  実物資料 6年 学級通信 『マキシマム』17号
  実物資料 6年 学級通信 『マキシマム』22号
 3 第1回保護者懇談会の話題を載せて,説明責任を果たす!/大貝浩蔵
  実物資料 2年 学級通信 『七色の落書き!』5号
  実物資料 2年 学級通信 『七色の落書き!』6号
  実物資料 6年 学級通信 『マキシマム』11号
  実物資料 6年 学級通信 『マキシマム』12号
 4 客観的な視点での参観記を載せる/奥田嚴文
  実物資料 6年 学級通信 『マキシマム』135号
  実物資料 6年 学級通信 『マキシマム』279号
  実物資料 4年 学級通信 『Over Drive!』121号
 5 河田孝文の通知表/吉谷亮
  実物資料 2年 学級通信 『七色の落書き!』125号
  実物資料 2年 学級通信 『七色の落書き!』123号
  実物資料 2年 学級通信 『七色の落書き!』124号
 6 保護者をつかんだ通信ベスト3/江口儀彦
  実物資料 6年 学級通信 『マキシマム』284号
  実物資料 6年 学級通信 『マキシマム』327号
  実物資料 6年 学級通信 『マキシマム』43号
Ⅵ 子どもと保護者をとりこにする別れの序章
 1 涙に潤む別れのドキュメント/大貝優希
  実物資料 5年 学級通信 『Burn!』100号
  実物資料 5年 学級通信 『Burn!』101号
  実物資料 5年 学級通信 『Burn!』102号
  実物資料 5年 学級通信 『Burn!』103号
  実物資料 4年 学級通信 『Over Drive!』131号
  実物資料 4年 学級通信 『Over Drive!』132号
  実物資料 6年 学級通信 『マキシマム』331号
Ⅶ 番外編!河田孝文学級通信
   厳選!  実物資料集
  実物資料 6年 学級通信 『マキシマム』332号
  実物資料 6年 学級通信 『マキシマム』180号
  実物資料 4年 学級通信 『Over Drive!』130号
  実物資料 5年 学級通信 『Burn!』60号
  実物資料 5年 学級通信 『Burn!』70号
  実物資料 5年 学級通信 『Burn!』71号
  実物資料 5年 学級通信 『Burn!』72号
  実物資料 6年 学級通信 『PASSION』44号
  実物資料 6年 学級通信 『PASSION』45号
あとがき/桑原佑樹

『学年集団形成の筋道と実践 学年通信あのね』 [書籍]


学年集団形成の筋道と実践―学年通信あのね (教師修業 7)

学年集団形成の筋道と実践―学年通信あのね (教師修業 7)

  • 作者: 向山 洋一
  • 出版社/メーカー: 明治図書
  • 発売日: 1984/10
  • メディア: 単行本


向山洋一さんは本書について「まえがき」で次のように説明しています。

 本書は、学年通信「あのね」を構成したものである。「あのね」は週に3回発行され、1年間で169号になった。それぞれの教師が週に1回発行したのである。
 「あのね」は、粗く分けて2つの内容で構成されている。
 1つは、学校生活の描写、教師の感想などのやや長い文章。
 1つは、学校生活の事務的・実務的連絡。

普通の学年通信は「学校生活の事務的・実務的連絡」のみと言ってもいいでしょう。向山さんが「『あのね』の特徴は、3人の教師がやや長い文章を、ほぼ毎号書いているということ」と書いていますが、確かに「自由に自分の考えを書き続けた学年通信は、全国をさがしてもあまりない」のではないでしょうか。

向山さんの書いた学年通信は34号分が掲載されています。以下のタイトルを見ても、向山さんが「自由に」書いている様子がうかがえます。

子ども模様(No.3)
保護者会(No.6)
ぼく、学校におとまりしたいよ(No.9)
入門期の勉強(No.18)
入門期の指導(No.22・23)
教え子の結婚(No.28)
伝承遊び(No.30)
ある失敗(No.37)
伸びる子(No.42)
はじめての宿題(No.47)
家でのドラマ・学校でのドラマ(No.52)
「あのね」製本(No.56)
評定(No.62)
下関からの便り(No.68)
算数「長さくらべ」(No.72)
運動会(No.76)
むし歯(No.85)
千葉大で……(No.87)
本が好きな子に(No.90)
教師の勉強(No.94)
100号に寄せて(No.100)
このごろのこと(No.104)
かずとことば(No.108)
師走(No.116)
雪・磁石(No.137)
親子文集「あのね別巻」執筆要領(No.141)
1年生アラカルト(No.145)
5度目の雪(No.151)
30年ぶりの文章(No.153)
学びの場は人それぞれに(No.155)
失敗(No.158)
せんせいどうしてなの(No.163)
大きくなったら(3組)(No.166)

たとえば、「教え子の結婚」(No.28)です。向山さんが15年前に担任したガキ大将の結婚式に招かれた話です。その時点で担任している1年生や保護者には何の縁もありませんが、人生の節目となるエピソードは誰が読んでも良いものです。

向山さんは『学級集団形成の法則と実践 学級通信アチャラ』(明治図書)の中で、自分の学級通信の特徴として「やたら私の身辺的出来事が登場すること」を反省しつつも、「実践記録には、私小説的部分が一部含まれていなければ無味乾燥な文章になる」と指摘しています。学級・学年通信や実践記録などで、自らのエピソードを書けるというのも、教師の力量の一つなのかもしれません。

まえがき
Ⅰ 学年教師集団の意味と役割
 1 学年教師集団のハーモニーとはどういうことか
 2 学年教師集団で教育するときの4つの得
 3 「学年通信」を発行できる向山の条件
Ⅱ 学年通信「あのね」
 担任あいさつ(No.1)
 お知らせ(No.2)
 子ども模様(No.3)
 学校でのようす(No.4)
 注射(No.5)
 保護者会(No.6)
 牛乳給食(No.7)
 連絡あれこれ(No.8)
 ぼく、学校におとまりしたいよ(No.9)
 先生、あぶないよ(No.10)
 はやく芽を出せアサガオのたね(No.11)
 おこる、叱る、注意する(No.15)
 お知らせ(No.16)
 入門期の勉強(No.18)
 くせ「ダメナサーイ」(No.20)
 遊びの中から見えてくる(No.21)
 入門期の指導(No.22・23)
 遠足の記(No.24)
 遊びの中から見えてくる(No.26)
 教え子の結婚(No.28)
 けんか(No.29)
 伝承遊び(No.30)
 これぞ1年生(No.34)
 ある失敗(No.37)
 朝の1年生(No.39)
 くせをなおすのには(No.40)
 伸びる子(No.42)
 お母さんの声(No.43)
 ぼく、けんかしてないてるんじゃないもん(No.45)
 はじめての宿題(No.47)
 プール(No.51)
 家でのドラマ・学校でのドラマ(No.52)
 「あのね」製本(No.56)
 通知表(No.58・59)
 評定(No.62)
 夏休みを前にして(No.63)
 保護者会(No.64)
 2学期(No.65)
 手紙(No.67)
 下関からの便り(No.68)
 算数「長さくらべ」(No.72)
 教育実習始まる(No.73)
 子供は担任の留守を守る(No.75)
 運動会(No.76)
 運動会・おかあさんからのお便り(No.80)
 藪の中 ミニ版(No.82)
 教育実習を終えて(No.83)
 むし歯(No.85)
 宿題忘れの言い訳(No.86)
 千葉大で……(No.87)
 本が好きな子に(No.90)
 応用問題(No.91)
 初めが肝心(No.92)
 教師の勉強(No.94)
 学芸会(No.97)
 100号に寄せて(No.100)
 あのね100号(No.101)
 このごろのこと(No.104)
 秋ふけて(No.105)
 かずとことば(No.108)
 日本語(No.109)
 かぜのおもちゃ(理科の研究)(No.110)
 うれしい便り(No.115)
 師走(No.116)
 教え子と21年ぶりの再会(No.117)
 席替え(No.118)
 個人面談(No.120)
 あと4日間(No.121)
 さようなら1983年(No.126)
 おめでとうございます(No.129)
 ああ私は……(No.130)
 雪・磁石(No.137)
 毎日書き続ける(No.139)
 親子文集「あのね別巻」執筆要領(No.141)
 雪日記(No.143)
 1年生アラカルト(No.145)
 小方せんせいへ(No.146)
 砂鉄の欠点てなんですか(No.147)
 深刻な大笑い(No.150)
 5度目の雪(No.151)
 30年ぶりの文章(No.153)
 しらみ(No.154)
 学びの場は人それぞれに(No.155)
 失敗(No.158)
 100てん(No.161)
 せんせいどうしてなの(No.163)
 大きくなったら(2組)(No.165)
 大きくなったら(3組)(No.166)
 さようなら「あのね」(No.168)
あとがき

『学級集団形成の法則と実践 学級通信アチャラ』 [書籍]


学級集団形成の法則と実践―学級通信アチャラ (教師修業 (6))

学級集団形成の法則と実践―学級通信アチャラ (教師修業 (6))

  • 作者: 向山 洋一
  • 出版社/メーカー: 明治図書
  • 発売日: 1984/10
  • メディア: 単行本


向山洋一さんは本書について「まえがき」で次のように説明しています。

 私が四年生を担任していた時の「学級通信アチャラ」を中心に構成したものである。
 向山学級一年間の記録であるが、「向山は何をしたか」「向山はどのようにしたか」「一年間でどこまでしたか」と問いつつ読んでいただけるとありがたい。
 実践によって、回答が出ているはずである。

この向山さんの言葉通り、学級通信の中から数多くの「実践」がうかがえます。

小倉敬さんはHP「向山洋一先生研究室」の「向山先生の文字資料 データベース<書店流通編>」において、この本を取り上げています。その中に次の「内容キーワード」があるなSY、

●国語 辞書遊び 「あ」 のつくことばを抜き出してできるだけ沢山使って文を作る。

向山さんの本から関係箇所を引用してみましょう。

 国語の時間に辞書の勉強をした。「言葉遊び」をしながらである。一班の子には、国語辞典から「あ」のつくことばの中で、自分で使えそうなものをノートに書かせた。そして、できるだけ「あ」のつくことばを多く使って、文を作らせたのである。辞書をひかせたのではなく、辞書を読ませながら遊んだわけである。二班は「い」、三班は「う」というようにしていった。

これを読むと、鈴木清隆さんの「あいうえお遊び」(『ことば遊び、五十の授業』太郎次郎社エディタス)や、上條晴夫さんの「『あ』のつく作文」(『だれでも書ける作文ワークシート 小学校低学年』学事出版)が思い浮かびます。向山さんの言葉遊び・作文指導の一端がうかがえて興味深いです。

また、漢字指導についても、次の実践が紹介されています。

 ある出版社のある印刷物の中に、私の似顔絵があって「面白ゼミナール」の問題が載っている。
 高学年の児童を対象として、約百万部発行されたものなので、このところ五年生・六年生からよく声をかけられる。内山君はお母さんの話によると「いっしょうけんめい解いた」とのことである。
 その問題とは、次の二問である。かなり著名な問題で、私は授業の中でよく扱う。
 A 次の図の中にいくつの漢字が含まれていますか。30以上さがしなさい。
 B 次の図に二画をつけ加えて漢字を作りなさい。15以上作りなさい。

図は省略しますが、どちらも有名な実践です。『子どもが熱中する向山型漢字・言語指導』明治図書)にも載っています。いや、よくよく読むと、学級通信「アチャラ」の内容が、ほぼそのまま本に掲載されています。どうやら、「教え方のプロ・向山洋一全集」を編集するときに、この実践が「向山の漢字パズル」として選ばれたのでしょう。

このように、丁寧に学級通信を読んでいくと、さまざまな向山実践の片鱗がうかがえます。向山実践を研究する上で、貴重な資料と言えるでしょう。

まえがき
Ⅰ 学級集団形成のための教師の仕事
 一 学級集団形成の向山の法則
 二 私の「学級通信」の特徴
 三 学級通信の構成方法
 四 意欲ある熱意ある青年教師へ
Ⅱ 学級通信「アチャラ」
 夢は果てしなく広がり(創刊号)
 歩み始めた日(No.2)
 人の絆はあたたかく(No.3)
 この仲間達のすばらしさ(No.4)
 人の絆は幾重にも(No.5)
 第一週はまたたく間に(No.6)
 日記 わたしと先生のやくそく(No.7)
 子どもの文化は係りから(No.8)
 学問に多数決はなじまない(No.9)
 練習は人それぞれに(No.10)
 こくごのことばあそびのこどものこうさつ(No.11)
 この一週間のこと(No.14)
 教育の始発点(No.16)
 初めての体験(No.17)
 子どもの考え(No.19)
 アチャラへのご意見(No.20)
 授業参観(No.22)
 日記を書く(No.23)
 ささやかなドラマ(No.24)
 文を読みとる(No.25)
 詩 その1(No.27)
 子供模様 その1(No.30)
 私にとって絶望的な遠さだった(No.32)
 星弘子様 完全美人 向山洋一 眉目秀麗(No.36)
 ア・ラ・カ・ル・ト(No.38)
 廊下を通過するときのかすかな交流なれど(No.39)
 子供のこころはあたたかく(No.40)
 先生のことを信じてあげる(No.41)
 指示を正確にうけとる(No.42)
 読めたタッタン海峡(No.45)
 てふてふが一匹ダッタン海峡を渡って行った(No.46)
 分析批評 その3(No.47)
 ことばと語感(No.48)
 てふてふはみえなくなったか? 分析批評4(No.49)
 対比されていることば 分析批評5(No.50)
 お知らせ(No.52)
 今日の記事は、題のつけ方に悩みます(No.53)
 分析批評・夏休み(No.55)
 ザ・カカリ お祭り係り(No.57)
 夏休みの作品(No.58)
 教育サークルせんの会(No.59)
 国語パズル(No.60)
 詩・・・一九八二年九月十三日台風十八号の後(No.61)
 「重い口」をやってみてください(No.62)
 ザ・ニッキ これぞ日記(No.63)
 友だちの名前を漢字で覚えよう(No.64)
 応援団はあくまでも脇役で(No.66)
 豊橋市の先生方の授業参観(No.67)
 山田先生の授業は、楽しくクイズのようだった(No.68)
 事件 先生が授業をしない その一(No.69)
 大特報(No.70)
 おめでとう みんなおめでとう(No.71)
 事件 先生が授業をしない その二(No.76)
 昼は夜より一時間長い(No.80)
 子供達一人一人の暖かい気持と喜びが胸にジーンときて(No.81)
 ショージ君(漫画家)の文体で(No.82)
 「さかあがりパーティ」の原案討議(No.83)
 転入生があった(No.84)
 たかだかそうじのことだけど(No.85)
 新潟紀行 1(No.86)
 新潟紀行 2(No.87)
 新潟紀行 3(No.88)
 小さなみなとの町 その1(No.89)
 小さなみなとの町 その2(No.90)
 小さなみなとの町 その3(No.91)
 授業参観 十二月八日二校時(No.92)
 小さなみなとの町 その4(No.93)
 師走(No.94)
 だからわるい(No.95)
 「だから わるい」の勉強(No.96・97・98)
 一九八三年もつつがなくあけて(No.103)
 年の始めに決意はあれど(No.102)
 百人一首リーグ戦(No.105)
 展覧会のときの文(No.106)
 あまりの悲しみに語るすべもなく(No.108)
 授業のこと(No.109)
 授業の交流・研究 一九八三・二・二十五・午前中(No.115)
 授業修行は果がなく(No.116)
 とっても楽しい…公開授業(No.117)
 公開授業の作文(No.119)
 あれこれのこと(No.120)
 お礼状(No.121)
 愛知県瀬戸市加藤先生より その1(No.122)
 愛知県瀬戸市加藤先生より その2(No.123)
 加藤浩幹先生へのご返事(No.124)
 大阪西村敦子先生からの便り(No.125)
 大阪西村敦子先生の便り(承前)(No.126)
 四年二組十大事件(No.128)
 子どもの日記 そこにも一年の歳月はあふれて…四人の日記から(No.149)
 別れ…それは教師の最後の教育です(No.150 最終号)
 アチャラ番外
あとがき

『手軽に発行 学級通信のアイデア40』 [書籍]


手軽に発行 学級通信のアイデア40―実践に生かせる! (パワーアップシリーズ)

手軽に発行 学級通信のアイデア40―実践に生かせる! (パワーアップシリーズ)

  • 作者: 佐藤 正寿
  • 出版社/メーカー: ひまわり社
  • 発売日: 2007/06
  • メディア: 単行本


この本の詳細は、ひまわり社のページで見られます。その中の「編集者より」のコーナーを読むと、この本が生まれた経緯を知ることができます。多忙にもかかわらず「日刊通信を発行」にこだわる佐藤正寿さんの姿勢が、編集者の目を通しても伝わってきます。

本書の「まえがき」にも紹介されていますが、佐藤さんのホームページに「私の歩んで来た道・学級通信セレクション」には、実例が68も紹介されています。各学年別に掲載されているので、学級通信作成の参考になります。

ホームページによると、佐藤さんは「教員2年目から本格的な学級通信の発行」を始め、「7年目からは、ほぼ日刊のペースで学級通信を発行」し続けたきたそうです。「17年目」の時点で、すでに「総発行枚数は2300号」を越えるというのですから驚異的です。そのような地道な取り組みの中で生み出された佐藤さんの工夫が「学級通信・私の定番」だと思われます。

この「定番」は、本書の第3章「定番ネタを作る」に生かされています。「教師自身のことを記念号エッセイに」「教師の一日の様子を知らせる」「出張記で学びを書く」など、教師自らについて書くネタも積極的に推奨されています。書くことに対する、佐藤さんの思い入れが現れています。それは、学級通信レポート「学級通信は教師として生きている証しである」でもうかがえます。佐藤さんの学級通信にかける熱い思いが伝わってくる本です。

まえがき
学級通信新学期1号「始動」
【1】発行するコツ
 1 基本的な形式を決める  まずなにから始める?
 2 執筆ルールを決める  どう書けばいい?
 3 パソコンのメリットを生かす  毎日発行はむずかしくて…
 4 細切れ時間で書く  なかなか書く時間がなくて…
 5 まずは10号まで連続で発行する  今年こそ発行しよう!
 6 発行を宣言する  今年こそはたくさん発行しよう
 7 写真特集号を出す  いつもと違う通信にしたい
 8 定番号を作る  ネタがない…
 9 パターン別文章作成法  自分なりの文章スタイルを作りたい
【2】学級通信作成の必須アイテム
 1 デジカメをフル活用する  その日のできごとも写真で即掲載
 2 子どもたちのノート  授業記録の助っ人
 3 書き込み用児童名簿  全員を掲載する時には
 4 筆ペン&マーカー  タイトルをアピール
 5 付箋紙&ペン  持ち歩いていつでもどこでもネタ収集
【3】定番ネタを作る
 1 子どもたちの作文  一番の定番は?
 2 スタートはドキュメント風に  学期始めの3日間は?
 3 家庭訪問記で子どものよさをを載せる  家庭訪問の時期は?
 4 子どもの声で行事ミニガイド  大きな行事の前に
 5 子どものよさを名前入りで  保護者が我が子の名前を探す?
 6 その子メッセージで教師の思いを  行事での全員の活動を伝えたい
 7 教師自身のことを記念号エッセイに  50号、100号の節目には
 8 その日を日記風に  教師の一日の様子を知らせる
 9 出張記で学びを書く  他校の研究会に参加した日は?
 10 思い出シリーズで有終の美を  学年末には
【4】学級通信ミニアイデア
 1 子どものポジションを教える  保護者に座席や走る順を知らせたい
 2 書き込みで自分だけの通信に  子どものメッセージを伝える
 3 ミニコメントを募集する  保護者の感想を知りたい
 4 手書きを加える  パソコンだけでなく
 5 配布時にヒーロー紹介  子どものよさをもっとほめたい
 6 気軽な不定期シリーズを用意する  中途半端な量だが
 7 アンケートをとってみる  学級の実態を保護者に知らせたい
 8 教師の得意分野を生かす  保護者に親しみを持ってもらいたい
 9 通信べからず集  学級通信は私的なお便りではない
【5】学級通信を実践に生かす
 1 学級通信を授業計画書にしよう  明日の授業計画だけで精一杯
 2 授業記録として残す  授業の力量をあげたい
 3 授業資料として使う  「写真+発問」で効果的に
 4 学級文集の原稿にする  学級文集の原稿を書かせる時間がない!
 5 学級通信からレポート作成  大会でのレポート発表にも困らない
 6 同僚に気軽に配布する  交流のきっかけを作りたい
 7 ホームページに公開する  自分の実践を公開したい

『超簡単!デジカメでつくる学級通信』 [書籍]


てがるに読める超簡単!デジカメでつくる学級通信 (ネットワーク双書)

てがるに読める超簡単!デジカメでつくる学級通信 (ネットワーク双書)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 学事出版
  • 発売日: 1999/03
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


デジカメ(デジタルカメラ)が一般に普及し始めたのが1995年だそうです。今では写真を掲載した学級通信も珍しくなくなりましたが、デジカメをいち早く学級通信に取り入れたのが、1999年に発行された、この本です。

「学級通信を出したくても時間がとれない」「文章作成に手間がかかる」「何をどう書くのか」そんな悩みを一挙に解消するために、編著者の上條晴夫さんは「写真+短文のビジュアルいっぱいの学級通信」を提案しています。

私も「デジカメの撮影術—どんな時にどんな写真をとるか?—」の原稿を書かせていただきました。写真の撮り方という技術的なテクニックではなく、対象の捉え方という教師としての心構えを書くようにしたのを覚えています。たとえば、次のようにです。

 3 子どもを引き立てるモノは?
 子どもの写真は喜ばれる。しかし、撮影するのは難しい。小学生ぐらいの子どもというのは、少しもジッとしていないからである。シャッターチャンスを待っているうちに、決定的瞬間を逃してしまうことも多い。そんな時はモノを活用するとよい。たとえば、学習についてだけでも、以下のモノがすぐに挙げられる。
 ・席書会の書き初め作品
 ・社会科見学の事前調査をまとめたポスター
 ・図形のパズルで作ったユニークなデザイン
 ・はじめてのアルコールランプで作ったべっこうあめ
 ・音楽学習発表会で演奏する楽器
 ・「ろくろ」を使ったグルグルうずまきの絵
 ・学校全体で取り組む持久走カード
 こうしてみると、撮影するモノとは、学習の中心となるモノであることに気づく。「楽しい写真を撮りたい」と思えば、子どもの興味・関心を引く教材を用意する必要がある。授業そのものの変革を迫られるのである。
 授業以外の活動も同様である。
「この係が最も工夫できるモノは何か?」
「この行事の一番の見所となるモノは?」
などと、常に考えながらデジカメを構えることになる。

  「楽しい写真をとる」という目的が実践そのものを変える。

 このメリットが自然に発生する。それがデジカメ学級通信である。

また、本書にはデジカメ学級通信の実物が、ふんだんに紹介されています。私も拙い学級通信を数枚、載せていただきました。まだ手探りでデジカメを使い始めたばかりだったのですが、他の方々がどんな通信を出しているのか、実物を見て大いに参考にさせていただきました。

たとえば、田村一秋さんは「遠足集合場所ガイド!」でわかりにくい地下鉄の駅を9枚の写真を使って案内しています。宮崎俊哉さんは「新座席決まる」で一人一人の顔写真を使って33人の座席表を作成しています。池田修さんは「應援団決る」で横長の大きな写真とメンバー表を掲載しています。池内清さんは「学級委員立候補選挙」で立候補者のスピーチ写真にアピールポイントを添えています。石井淳さんは「パワー全開、今君が輝く!」で子どもが力強く走る写真と手書きのコメントを通して体育祭への参加を訴えています。

デジカメの画質や操作性は、この10年で格段に進歩しました。けれども、学級通信の作り方は、それほど大きく変わるとも思えません。「デジカメ」に特化して示された学級通信のノウハウは、まだまだ役立つのではないかと思います

まえがき
Ⅰ 簡単!「学級通信」のすすめ…………………………上條晴夫
 1 学級通信とは何か
  子どもの事実を考える
  肯定的に書くこと
 2 なぜ、いまデジカメなのか
  デジカメ通信は簡単につくれる!
  デジカメ通信は簡単に読める!
 3 簡単!「学級通信」のコツ
  文章を真似る
  内容も真似る
  子どもを見守る
  端的に書く
 4 簡単!「学級通信」のネタ
  子どもの姿
  授業のようす
  行事の活動
  学習情報
 5 「学級通信」の悩みQ&A
  作成の時間をつくるには?
  文章作成の省力化をはかるには?
  読んでもらえる「学級通信」をつくるコツは?
Ⅱ 簡単!「学級通信」の作り方
 1 デジカメ学級通信・作成の基本…………………………池内清
  ワープロ専用機を使うか、パソコンを使うか
  デジカメの機種選定のポイントとデータ転送方法
  下準備・学級通信の雛形を作る
  デジカメで写真を撮る
  デジカメから画像を取り込む
  編集する
  印刷する
  図解/カンタン!デジカメで学級通信
 2 デジカメの撮影術…………………………佐内信之
  誰に向けて学級通信を出すのか
  子どもが喜ぶヒトは?
  子どもを引き立てるモノは?
  保護者を引きつけるヒトは?
  保護者に訴えるモノは?
 3 題字・レイアウト・短文記事の工夫…………………………田村一秋
  題字(タイトル)を工夫する
  レイアウトをどうするか
  短文記事の工夫
 4 これは簡単!切り貼り方式…………………………石井淳
  授業中に撮った写真が休み時間には仕上がる
  輪転機印刷に強いデジカメ写真
  いつも手元にデジカメを
  「切り貼り・手書き」の学級通信は15分で仕上がる
 5 ワープロ・パソコンへの取り込み・保存・整理法…………………………池田修
  画像保存の二つの方式
  ワープロ・パソコンへの取り込み方法
  保存・整理のしかた
  必ず行いたいバックアップ
  データの再利用
Ⅲ 簡単!「学級通信」の実際
  初めての調理実習
  さようなら前期
  運動会ごくろうさま!(1)
  運動会ごくろうさま!(2)
  遠足集合場所ガイド
  社会科見学(1)
  社会科見学(2)
  コンピュータクラブがスタート…………………………田村一秋
  はじめまして
  新座席決まる
  奉仕活動・頑張りました(1)
  奉仕活動・頑張りました(2)
  運動会
  運動会終わる
  市内自主見学
  市内自主見学—その3…………………………宮崎俊哉
  一番若い先生はダレだ?
  グルグルうずまきに挑戦
  めざせ全員100点!
  授業参観 生中継
  プールさん さようなら
  全国、いや世界からお客さまが来た!…………………………佐内信之
  いい声が響きますように
  なくて七癖である
  応援団決まる
  年賀状
  カレンダー…………………………池田修
  学級委員立候補選挙
  運動会がんばれ、ただいま練習中
  今日は授業参観日です!
  社会科見学(1)
  たん生日におくる詩
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『子どもを励ます評価文の書き方』 [書籍]




上條晴夫さんの「教師のための文章講座」徹底マニュアルの3巻目です。「評価文(カルテ)の書き方の本」です。上條さんが「最も得意とする(苦心した)分野」である「作文のコメント」「教室データの記録」「児童実態のメモ」「通知表の所見」に限定して書かれています。

ここでは第3章「教室データを記録する—学級通信—」を中心に紹介します。

シリーズ1巻目の『楽しい学級通信の書き方』でも「データを集める」という項目が示されていましたが、さらに多くの種類のデータが次のように示されています。

(1)四則計算の到達度
(2)漢字学習の継続率
(3)学期平均の読書冊数
(4)作文ノートの提出率
(5)忘れ物率
(6)虫歯治療率
(7)出席率
(8)二十五メートル泳げる度合い
(9)縄跳び種目の達成度
(10)教科についての興味・関心度

(2)については「漢字学習のやり方」という学級通信が示されています。「見て覚える」「写して覚える」「自己テスト」という3パターンの学習法別のに取り組んだ人数と点数を一覧表にした上で、「今度はぜったいに自己テストをする」「これからも、自己テストをやった方がいいな」と書いた子どもの作文を紹介しています。

上條さんは「カルテ・評価文の書き方」のポイントとして、次の2点を何度も強調しています。

A 事実の指摘
B 処方の提示

先の例では「学習法別の点数集計表」がAで、『この表を見て、気づいたこと・考えたことを書きなさい』という指示や「この決意を見守っていきたい」という教師の言葉がBです。

AとBの両方を踏まえることが「カルテ(診断記録)を書く」上でのポイントです。「この書く作業を続けるかどうかで子ども理解には大きな差が生まれる」「書くことは自分の診断に対する検証だからである」と上條さんは主張しています。

学級通信をはじめとする評価文(カルテ)の書き方はもちろん、「教師のための文章講座」と銘打っているシリーズだけあって、教師の力量形成に必ず役立つ1冊です。

まえがき
(1)評価文・書き方のポイント
 1 書くことは見ること
 2 線として見る
 3 観点を持つ
 4 具体的に書くこと
(2)作文にコメントをする—一枚文集—
 1 一つだけホメる
 2 表現技法を指摘する
 3 文章構成を分析する
 4 かかわりを評価する
 5 共感を書く
(3)教室データを記録する—学級通信—
 1 カルテ記述の原則
 2 よさを発見する
 3 解釈を示す
 4 データをつくり出す
 5 診断と指導を一体化する
(4)児童の実態をメモする—研究レポート—
 1 些細な事実をメモする
 2 集団をとらえる観点をもつ—速さ—
 3 集団をとらえる観点をもつ—飽き—
 4 場面を限定する
 5 観点を比較する
(5)所見の文章を書く—通知表—
 1 表現法を工夫する
 2 キーワードを作る
 3 観点を立てる
 4 年間を意識する
 5 定型に思いを込める
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